縁起物の「熊手」を売る露天が立ち並び、それを買い求める人で賑わう酉の市!
ところで、突然「熊手」と言われたら、こちらの熊手を思いついたりしませんか?
実は・・・
酉の市が始まった当初に売られていたのは、実用的なこの熊手でした。
酉の市の熊手が縁起物なのはなぜ?
開催当初の酉の市は、収穫祭として行われていました。
人の集まるところには、決まって市が立つ時代です。
酉の市も例外ではなく、鶏を奉納するために訪れる人達を相手に農機具や農作物、古着などが、露店で商われていました。
その中で売られていたのが、上にある写真のような「熊手」です。
落ち葉を「かき集める」道具の熊手ですが、商売人のしゃれとでもいうのでしょうか?「運をかき込む」「金銀をかき集める」道具として、次第に縁起物とみなされるようになりました。
それに伴って、実用性のある熊手は、宝船に乗った七福神、大判小判、松竹梅など様々な飾りが施され「運をかっ込む」「福を掃きこむ」縁起物の熊手へと変化し、現在に至っています。
また、熊手が縁起物となった理由として、こんな話も伝わっています。
◎「運を鷲づかみにする」
この言葉になぞらえて、鷲の4本ある爪のうち、3本を熊手の手に1本を柄とした3本ツメの熊手が、後々5本ツメになり「運をかっこむ」熊手守りになった。
◎武将が戦場へ赴く際、勝利を祈願して神仏に奉納した軍扇が、勝ち戦で戻った時には熊手のように反り返った骨だけになっていた。
という故事にあやかって「開運を招く」熊手守りになった。
酉の市の熊手の値段は?
酉の市!今年初めて行こうと思ってます^ ^
そんな時、どうしても気になるのは熊手の値段ではないでしょうか。
熊手は、小さいもので1,000円位からありますが、大きなものになると数十万にもなります。
熊手の大きさはもちろんですが、付いている飾りの種類や数で、同じ大きさのものでも値段が変わります。
よーく見比べて、これ!という熊手をゲットしましょう!
ちなみに、良く売れるのは2~5万円の熊手だそうです。
とは言え、熊手の買い方にも注意点があったりします。このあたりは別の記事で書いていますので、良かったらご覧ください。

酉の市で求めた熊手の飾り方
商売繁盛、開運招福の熊手は、せっかくですから、ご利益のある場所に飾りたいものです。
一般的に飾ると良いとされている場所は、次の通りです。
- 玄関の少し高い位置に入り口に向けて飾る。
- 室内の少し高いところに、熊手の正面を東・西・南に向けて飾る。
(この場合、熊手の正面を北に向けることはしません。) - お寺や神社で授かった熊手は、神棚や仏壇がある場合はそこに祀る。
また、熊手は福を招くものなので、その年の恵方(吉方)に向けて飾るのも良いとされています。
古い熊手はどう処分するの?
寺社で授かった熊手は、次の年の酉の市に行く時に持って行きましょう。
古い熊手を納める「熊手納め所」がありますので、1年間福を取り込んでくれた事に感謝して納めてください。
酉の市を逃してしまった場合は、年末年始に設置される「お札納め所」へ納めるという方法もあります。
熊手を授かった寺社に納めることが出来ない場合、最寄の神社で年末年始に行っているお焚き上げにお賽銭を添えて納めても大丈夫です。
※熊手が大きくてお焚き上げで受け入れられてもらえなかった場合は、一年の福を取り込んでくれたことを熊手に感謝した後に、お住まいの地域の分別に従って分解して処分してください。
また、熊手には、祈願したものと祈願していないものとがあります。
祈願していない熊手は飾りですので、お住まいの地域の資源分別に従って分解し処分しても差支えはありません。
≪参考≫
熊手の由来・酉の市Q&A / 浅草酉の市 浅草田圃酉の寺 鷲在山長國寺
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