お正月のお年玉!
今では「お正月にもらう(渡す)お小遣い」という位置づけかもしれません。
でも古い時代のお年玉は、今のように現金を渡す行為ではありませんでした。
今回は、お年玉の歴史と言うと大げさかもしれませんが、その移り変わりや、お年玉の由来とその言葉の持つ意味についてまとめました。
- お年玉っていつからあったの?
- どうしてお年玉というようになったの?
- 昔はお金じゃなかったっていうけど、どんなものだったの?
こんな疑問があるとしたら、解決のお手伝いが出来ることと思います。
お年玉の意味と由来について
始めに、お年玉という言葉の持つ意味や語源についてお届けいたします。
お年玉の意味は?
現代においてのお年玉は、どんな意味なんだろう?と、調べてみると、
- 正月に子どもらに与えるこづかい(お年玉)をいうが、かつては新年を祝ってする贈物全般を指した。
- お年玉とは、新年の祝いの贈り物。子供など目下の者へ与えるお金を言うことが多い。
- 新年を祝ってする贈り物。現在では、新年におもに子供や使用人などに与える金品をいう。
- お年玉(おとしだま、御年玉)は、新年を祝うために贈られる金品のこと。単に年玉(としだま)ともいう。現在では特に子供に金銭を与える習慣及びその金銭の意で用いられている。歳暮と異なり、目上の者が目下の者に贈るのが特徴
といった事が、挙げられていました。
これらをまとめると、現在は年上の人が年下の人に与えるお金(お小遣い)を言うものの、古くには新年を祝う贈り物を指してそう呼んでいたということになります。
それだけでも、お年玉は今と昔は違うものだった事が解るのではないでしょうか。
お年玉の由来とは?
ここで「お年玉」という言葉について、もう少し深く探って見たいと思います。
古い時代において、鏡餅は歳神様が家に訪れるための依り代であり、鏡餅には歳神様の魂が宿るとされていました。
歳神様は、歳徳神とも呼ばれており、その年の福徳を司る神様で代表的な吉神です。
正月に迎えて祀る神様で、豊作の守り神であり、生命を与えてくださる神でもあります。
お年玉は、その鏡餅をお下がりして、家長が家族に分け与えたものを「御歳魂」と呼んだ事に由来しているとする説が、最もメジャーなものになります。
それとは別に、分けいただく鏡餅は、その年初めての賜物となる事から「年賜」と呼ばれていた事が語源であるとする説もあります。
※賜物:賜ったもの、いただき物
お年玉の歴史
さて、お年玉が元々お金では無かった事は、もうお分かりいただけたことと思いますが、いつ頃から行われている風習なのでしょうか。
お年玉の始まりは室町時代以前?!
日本には、古くから年の初めに贈り物をする風習がありました。
室町時代には、既に盛んに行われており、その品物を「年玉」と呼んでいました。
この頃に用いられていた品物は、金子・筆・硯・紙・酒・餅などがあげられています。
御歳魂の風習はいつからあったの?
そしてお年玉の語源とされる御年魂ですが、この風習がいつから続いているものなのか?正直なところ定かではありません。
ただ、昔は正月に歳神様から年魂を分けてもらうことで一つ歳をとるとされていました。
これは現在の満年齢に対して、数え年と呼ばれる年齢の数え方の基となっているものです。
単純に「正月に歳神様から年魂を分けてもらう」=「歳神様の魂が込められた鏡餅を分けていただく」という事になりますから、随分古くから行われていた風習ではないかと考察します。
年玉と歳魂が融合?!
始めにお断りいたしますが、これは個人的な解釈になります。
日本にある風習は、元々日本にあったものと外から入ってきた文化が融合して独自の発展を遂げたものが数多くあります。
「お年玉」は国内の風習ではありますが、「年玉」と「歳魂」が融合したように思えてなりません。
その上で、年上の人が年下の人に贈るものを「お年玉」といい、年下の人が年上の人に贈る物を「御年始」や「御年賀」と呼ぶように変わって行ったのではないかと推察します。
お年玉がお金になったのはいつ?
お年玉が今のような現金を渡す形態になったのは、日本が高度経済成長期であった昭和30年代後半頃からだと言われています。
都市部に始まり、しだいに日本全国へと広がっていったものです。
ただ時代を遡ると、正月の玩具代としてお金をあげていたという事実もあります。
また正月に訪れる子供を福の神とみなしており、施しを与えると余慶を得られるという考えからお金をあげたという説もあります。
※余慶: 功徳の報いによって起こる吉事。祖先の行なった善事の報いによって、子孫にやってくる吉事。祖先の善根によって、子孫が報われること。
最後に・・・
お年玉の由来や移り変わりについて、個人的な考察も含めてお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。
子供の頃は楽しみの一つだったお年玉が、大人になると(汗;・・・かもしれません。
それでも、お年玉は親から子へ、若しくは大人から子供への贈り物という形でこれからも受け継がれていくことでしょう。
もしかしたら、未来のお年玉は現金ではない何かになっていたりするかもしれないなぁ~なんて、勝手に想像しているところです。
《参考》
お年玉 / 日々是活き生き-暮らし歳時記
お年玉の風習はいつ頃からあったのか。なぜ正月に子供に小遣いをあげるようになったのか。 / レファレンス協同データベース
「お年玉」の名前の由来 / 雑学ネタ帳
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