春には桜祭り、冬は雪まつり、立春の前日には節分の豆まきがあって、お盆になると盆踊り・・・
日本は、季節ごとに様々な行事やお祭りがあります。
言うまでもありませんが、春の次には夏が訪れます。
暦の上で、夏の到来を告げる日といえば立夏ですが、立夏だから何かしなくちゃ!とか、立夏だからあれを食べないと!という話は、なーんにも聞こえてこないと思いませんか?
立夏には、古くから伝わる行事や行事食はあるのでしょうか?
この答えを知りたい!というあなたは、記事の続きをどうぞ^ ^
立夏に行われる行事はあるの?
立夏に行われている行事は・・・と、すぐにお伝えすることもできるのですが、その前に古くから行われてきた行事の月日の新旧について説明したいと思います。
立夏などの季節を表す二十四節気は、もともと旧暦といわれる太陰太陽暦の時代に生まれたものです。
後に新暦が利用されるようになると、当時から行われていた行事のほとんどは、月日だけを移し替えて行われるようになりました。
といっても、ピンとこないかと思いますので「ひな祭り」を例に説明します。
ひな祭りといえば現在は3月3日(新暦)ですが、当初は旧暦3月3日で行われていました。
今も昔も3月3日に行われているのは、新暦が採用された時に、旧暦3月3日を新暦に置き換えずに新暦3月3日で行うようにしたのがその理由です。
旧暦3月3日を新暦に置き換えてみると、2022(令和4)年は4月3日、2023(令和5)年は4月22日となり、元々行事が行われていた日と現在の日にちにはずれが生じます。
ひな祭りや端午の節句などを月遅れの行事として行う地域が残っているのは、こういった事があるからです。
さて、話を立夏に戻します。
立夏の日は、太陽の動きをもとに求められており、必ず○月○日とは決まっていません。
※2023(令和5)年の立夏は5月6日、その期間は5月20日までとなっています。
そのせいもあるのでしょうか?立夏の日だからといって決まった何かをする、という事はまずありません。
とはいえ、日本各地においては、立夏の期間中に様々な行事が行われます。
その代表格として挙げられるのが、御田植神事です。
御田植神事
この頃に、古くから伝わる行事として「御田植神事(御田植祭)」があります。
大阪・住吉大社で行われている御田植神事の様子をどうぞ↓↓↓
御田植神事は、その年の豊作を願う神事です。
早乙女による田植えや、舞の奉納、天候を占うなど、地域や神社によって、さまざまな神事が行われています。
今では、機械が行ってくれる田植えも、昔は女性の仕事でした。
大変な田植えの作業を少しでも楽しくしようと、田植え歌を歌いながら行う風習がうまれました。
その風習と、田の神を祀り豊作を願う祭事(儀礼)が結びついたものが、御田植神事のはじまりと言われています。
「5月が皐月と呼ばれるのは、田植えの時期だったから?!」
田んぼに植えるために、程よい大きさに育った稲の苗を「早苗」といいます。
田植えの月は、早苗を植える月という意味で「早苗月」と言われていました。
このさなえつき(早苗月)が省略されて、短くなった呼び方がさつき(皐月)だと言われています。
立夏期間中に行われる各地の行事
こちらは、立夏だから行われているというよりは、その期間中に行われている行事と言った方がいいかもしれません。
行事名と併せて今年(2020年)の日程をあげておきます。
- 京都「葵祭」2023年5月15日(月)
- 東京「神田祭」2023年5月11日(木)~17日(水)
- 東京「三社祭」2023年5月19日(金)~21日(日)
- 宮城「仙台・青葉まつり」2023年5月20日(土)・21日(日)
他にもお祭りはあるよ!と、思われるかもしれません。
ここでは、神社の例祭が基となっている主な行事を取り上げました。
とはいうものの、他にもあるのではないかと引き続き調べようと思っているところです。
もし、こういう行事もあるよ!という情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください^ ^
立夏に行事食はあるの?
残念ですが、立夏には、節分や土用のようにこれを食べるといい!という、決まった行事食はありませんm(_ _)m
あえて行事食というのであれば、立夏の日に近い(当日に当たる年もあります)端午の節句(5月5日)の行事食をあててもいいのではないでしょうか。
端午の節句の行事食は、「柏餅」と「粽」です。
おなじみですね?!
また、食べ物ではありませんが、端午の節句には「菖蒲湯」という風習もあります。
立夏の時節に旬を迎える食べ物
おまけといってはなんですが、立夏の頃に旬を迎える食べ物をいくつかご紹介したいと思います。
【野菜・くだもの】
空豆・筍・にんじん・いちご
【魚】
金目鯛・いさき
近年は、技術の発展によって年中手に入る食べ物が多くなったことから、「旬」が解りにくくなっているものもありますが、1年の中で一番美味しくいただけるのが旬の時期です!
せっかくなので、普段はわき役の素材でもこの時ばかりはメインとして食卓にあげるのもいいかなぁ~と・・・^ ^
《参考》
皐月(さつき)/ 語源由来辞典
日本の七十二候を楽しむ-旧暦のある暮らし- / 白井名大(文)有賀一広(絵)
日本の祭り(5月) / 日本の行事・暦
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