夏もちぃ~かづく 八十八やぁ~♪
友達と向き合って、この歌を歌いながらお互いの手を合わせて遊んだ幼い頃・・・。
昭和の時代のお話です。
きっと、今の時代の子供達は、こんな素朴な遊びは知らない事でしょう。
さてさて、昔話が長くなってはいけません。
ここでは、暦において雑節とされている八十八夜について掘り下げていきます。
八十八夜の意味とは?
八十八夜は、土用や彼岸と同じように、季節の変化の目安となる「雑節」のひとつです。
立春から数えて八十八日目をいい、毎年5月2日頃にあたります。
この数日後が立夏ですから、まさに「夏も近づく」日になります。
つまり、八十八夜は春から夏へ移り変わる節目の日なのです。
変わりますが、「八十八」を重ねると「米」になるという話を、いつかどこかで聞いた事はありませんか?
その米を作る農家の人達にとって、八十八夜は特別な日でもありました。
八十八夜は、その日を境に気候が安定してくるため、農作業を始める事ができる縁起の良い日だったのです。
田んぼの苗代を作ったり、作物の種を蒔いたり、野菜の苗を植えるなどの目安の日が八十八夜でした。
現在でも、八十八夜の日に「農作業の開始を祝う神事」を行う地域が残っています。
そして、この時期を表すことわざが「八十八夜の別れ霜」です。
霜の心配がなくなり、安定した気候が訪れるという意味があります。
「八十八夜の別れ霜」に対して「九十九夜の泣き霜」ということわざがあります。
気候が安定してくる八十八夜が過ぎ、立夏を向かえた後に降りる霜。
いわゆる「遅霜」を表したことわざです。
九十九夜は、5月13日頃になり、ちょうど作物の芽が出て育ち始める時期です。
この頃に霜が降りると、農作物に大きな被害をもたらすことから「泣き霜」と呼ばれました。
八十八夜と茶摘の関係は?
ところで、八十八夜と聞いて浮かんでくるのは、やっぱりお茶ではないでしょうか?!
「夏も近づく・・」で始まる歌の歌詞には、「あれに見えるは茶摘じゃないか」とあります。
この影響があって、八十八夜といえばお茶というイメージが定着したと考えられています。
歌のタイトルも「茶摘」ですしね・・・^ ^
日本では、年に3回茶摘が行われます。
- 1回目は4月下旬~5月上旬
- 2回目は6月下旬~7月上旬
- 3回目は8月下旬
です。
1回目に詰まれた茶葉が一番茶となり、二番茶、三番茶と続きます。
もう、お気付きではないでしょうか?
一番茶を摘む時期
が、ちょうど八十八夜の頃なんです^ ^
でもさぁ~、お茶の産地によって茶摘の時期がずれるんじゃない?と言われてしまえば、そこは否めないところでもあります。
2025年の八十八夜はいつ?
先にも触れていますが、八十八夜は立春から数えて88日目にあたります。
言うまでも無く、その年の立春の日によって八十八夜の日が決まりますから、毎年同じではありません。
今年2025年の八十八夜は5月1日となっています。
ご参考までに、来年(2026年)の八十八夜は5月2日です。
最後に・・・
その昔、八十八夜のお茶は不老長寿の飲み物として、珍重されていました。
実のところ、一番茶は栄養価も高く、旨み成分も多く含まれています。
科学の進んだ現代では、
「風邪やアレルギー、生活習慣病の予防などに効果のある飲み物」
として、注目されています。
ちなみに・・・
新茶と一番茶は、言葉が違うだけで同じものを指しているということを申し添えます。
≪参考≫
八十八夜のエトセトラ / 夏への扉…八十八夜
八十八夜 / 日本文化いろは事典
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