「今日は二十四節気のひとつ、○○です。」
テレビやラジオで、こんな言葉を聞いたことはありませんか?
○○に入る言葉で、よく知られているものをあげると「立春」「夏至」「大寒」などがあります。
あぁ!そういえば・・・
と、思い当る事があるのではないでしょうか。
きっと、「二十四節気」という言葉より、立春や夏至、大寒の方が耳になじみがあるかと思います。
そこで、今回は、二十四節気とはどういうものなのか?というところに焦点をあててお届けいたします。
誰にでも解かる二十四節気!
最初に、二十四節気って、こういうものだよぉ~!というところを、簡単に説明します♪
一年を季節によって分けると、「春・夏・秋・冬」という四つに分かれ、これらを「四季」といいます。
四つの季節で、四季です。
二十四節気はどうなのかというと、一年を約15日ずつ二十四等分に分けたものになります。
二十四ある節気にはそれぞれ名前がついており、お馴染みの「春分」や「冬至」も、1つの節気を指す名称です。
その昔・・・
今でいうカレンダーの役割をしていたものに、「暦」がありました。
だた困ったことに、暦と実際の季節は一致していなかったのです。
そこで、季節の移り変わりを知るためにより多く利用されたのが、二十四節気になります。
二十四節気は、農業が中心だった当時の人達にとって、種まきや収穫の時期を知るすべともなっていました。
二十四節気の由来
さて、今も生活の中に息づいている二十四節気ですが、生まれたのは中国です。
古代中国においても、暦と季節のずれには、ずいぶん悩まされていました。
人民に、正しい気候の移り変わりを伝えたい!
そんな長年に渡る国王の思いによって、二十四節気が考え出されました。
二十四節気が日本に伝わったのは、554(元嘉22)年、百済を通じてのことです。
※日本書紀による。百済は、古代朝鮮半島南西部にあった国家。
この時伝えられたものを、「元嘉暦」といいます。
暫くすると、また中国から「儀鳳暦」が伝わります。
すると、2つの暦が併用されるようになったのですが、697(文武天皇元)年から儀鳳暦が単独で用いられるようになりました。
その後も、新しい暦が伝わって来るたびごとに、日本の暦も新しいものに塗り替えられるということが繰り返されます。
当時の暦は、太陰太陽暦であり、俗に「旧暦」と呼ばれているものです。
旧暦は、現在利用されている太陽暦(グレゴリオ暦・新暦)に改暦される1873(明治6)年まで利用されていました。
どうやって二十四の節気に分けているの?
ところで、1年を24の季節に分けている二十四節気ですが、その分け方って気になりませんか?
実のところ、分け方にはいくつかの方法があります。
その中で、よく知られているものは、平気法(恒気法)と定気法の2つです。
平気法とは?
平気法は、冬至から翌年の冬至までの時間を、24等分にして、二十四節気を導き出す方法です。
計算上、1つの節気の期間は約15日となり、1ヶ月に2つの分点が存在することになります。
分点は、
- 月の節目にあたるものを「節気」
- その後に訪れるものを「中気」
と名付け、二十四節気の名称と併せて用いていました。
例えば・・・
立春は「一月(正月)節立春」、そのあとの雨水は「一月(正月)中雨水」という具合です。
この方法は、各月に、必ず中気を含むものとしていましたが、ひとつの節気はきっちり15日ではありません。
もしかしたら、ピン!と来た方がいらっしゃるのではないでしょうか?
一年の周期に時間の端数があるのは、今も昔も同じです。
この関係で、中気を含まない月が生まれることがあり、平気法では、その月を「閏月」としていました。
定気法とは?
定期法は、太陽が一年で回る天空の道筋「黄道」を24等分にすることで二十四節気を導く方法です。
つまり、15°(360°÷24)ごとの分点に、節気と中気を配したものになります。
ただ、定期法においては、節気の期間(日数)が一定ではないという不便がありました。
これは、黄道が楕円形をしていることによるものです。
どうして?と思ったら、楕円形を15℃ずつに区切ってみてください。
1つの区間の、弧の長さが違う事が解かるかと思います。
それでも、定期法は太陽の実際の位置を反映しているため、より実際の気候に即したものとなっています。
現在の二十四節気は、この定気法を基にして求められています。
二十四節気一覧表!
以下に、旧暦上の四季を基準として、二十四節気の一覧表を作りました。
2023年と2024年の2年分になります。
日付は新暦となっていますので、何かしらの参考にしていただけたら幸いに思います。
一覧表は「春」から始まっていますが、すべて当年の日付となります。
一番下に「冬」があるため、翌年?と思われる方もいらっしゃるかと思い注記させていただきました。
【2024年版】二十四節気一覧表
季節 | 節月 | 節気 | 中気 |
---|---|---|---|
春 | 1月 | 立春(りっしゅん) 2月4日 |
雨水(うすい) 2月19日 |
2月 | 啓蟄(けいちつ) 3月5日 |
春分(しゅんぶん) 3月20日 |
|
3月 | 清明(せいめい) 4月4日 |
穀雨(こくう) 4月19日 |
|
夏 | 4月 | 立夏(りっか) 5月5日 |
小満(しょうまん) 5月20日 |
5月 | 芒種(ぼうしゅ) 6月5日 |
夏至(げし) 6月21日 |
|
6月 | 小暑(しょうしょ) 7月6日 |
大暑(たいしょ) 7月22日 |
|
秋 | 7月 | 立秋(りっしゅう) 8月7日 |
処暑(しょしょ) 8月22日 |
8月 | 白露(はくろ) 9月7日 |
秋分(しゅうぶん) 9月22日 |
|
9月 | 寒露(かんろ) 10月8日 |
霜降(そうこう) 10月23日 |
|
冬 | 10月 | 立冬(りっとう) 11月7日 |
小雪(しょうせつ) 11月22日 |
11月 | 大雪(たいせつ) 12月7日 |
冬至(とうじ) 12月21日 |
|
12月 | 小寒(しょうかん) 1月6日 |
大寒(だいかん) 1月20日 |
【2025年版】二十四節気一覧表
季節 | 節月 | 節気 | 中気 |
---|---|---|---|
春 | 1月 | 立春(りっしゅん) 2月3日 |
雨水(うすい) 2月18日 |
2月 | 啓蟄(けいちつ) 3月5日 |
春分(しゅんぶん) 3月20日 |
|
3月 | 清明(せいめい) 4月4日 |
穀雨(こくう) 4月20日 |
|
夏 | 4月 | 立夏(りっか) 5月5日 |
小満(しょうまん) 5月21日 |
5月 | 芒種(ぼうしゅ) 6月5日 |
夏至(げし) 6月21日 |
|
6月 | 小暑(しょうしょ) 7月7日 |
大暑(たいしょ) 7月22日 |
|
秋 | 7月 | 立秋(りっしゅう) 8月7日 |
処暑(しょしょ) 8月23日 |
8月 | 白露(はくろ) 9月7日 |
秋分(しゅうぶん) 9月23日 |
|
9月 | 寒露(かんろ) 10月7日 |
霜降(そうこう) 10月23日 |
|
冬 | 10月 | 立冬(りっとう) 11月8日 |
小雪(しょうせつ) 11月22日 |
11月 | 大雪(たいせつ) 12月7日 |
冬至(とうじ) 12月22日 |
|
12月 | 小寒(しょうかん) 1月5日 |
大寒(だいかん) 1月20日 |
話は変わりますが、二十四節気に興味をお持ちのあなたなら、「暦便覧」という言葉を耳にした事があるのではないでしょうか。
よく「暦便覧によると・・・」というように、二十四節気の説明として引用されているものです。
でも、この暦便覧がどのようなものか?という事は、あまり書かれていません。
最後に、「暦便覧」って、いったいなに?
という、あなたの疑問を解決して、この記事を閉じたいを思います。
暦便覧とは?
正式名称を「こよみ便覧」といいます。
今は「こよみ」を「暦」と、漢字で書いてあることがほとんどです。
こよみ便覧は、1787(天明7)年に出版された暦の解説書で、中に記されている二十四節気の解説文が、今でも二十四節気を説明する際に利用されているのです。
発行が江戸時代の本ですから、実物の「こよみ便覧」はかなり希少なもので、現在は国立国会図書館と東京大学に蔵書として保管されています。
言うまでもなく実際に手に取る事は難しいのですが、国立国会図書館ではウェブ上で公開しています。
二十四節気の解説は、コマ番号「7」にありますので、興味をお持ちでしたらご覧になってみてください。
こちらからどうぞ^ ^ ⇒ 「こよみ便覧」
最後になりますが、個人的に気になったことを少しだけ・・・。
時折、二十四節気ではなく「二十四節季」と書かれているものを目にすることがあります。
気にしなければそれまでとは思いつつ・・・「せっき」の「き」は、「気」が本来の記述だということをお伝えいたします。
≪参考≫
二十四節気とは / こよみのページ
暦Wiki/季節/二十四節気の定め方 / 国立天文台
現代こよみ読み解き事典 / 岡田芳朗 阿久根末忠 編著
コメント
なるほど!
遠藤様
お役に立てたようで、嬉しいです。
コメント、ありがとうございました。