年中気にしているわけでもないのに、何か節目となる行事の時などに気になるのが「お日柄」、つまりは「日の吉凶」です。
大安、友引、仏滅などの六曜は、カレンダーにも記載されていますから、一番身近な判断材料になっているかと思います。
ところで、暦には様々な日の吉凶を表す記載がありますが、中には馴染みの無いものがありませんか?
その中の一つに「二十八宿」は含まれていないでしょうか。
ここでは、二十八宿の概略と二十八ある「宿」の吉凶をまとめました。
最後の方では、おススメの二十八宿カレンダーを紹介しています☆
二十八宿とは?
二十八宿は、天の赤道に沿って選び出された二十八の星座をいいます。
本をたどれば古代中国の星座で、月の天球上の位置を示すために用いられていたものでした。
黄道上に沿って一周天を28分割したそれぞれを宿と呼び、それらに星座名を付けたのです。
※黄道:太陽が天球上を運行する道
いつの頃なのか定かではありませんが、これが年・月・日に配当されると日の吉凶が付随して与えられ、現在では吉凶だけを示すようになりました。
二十八宿が日本に伝わるまでのこと
古くから伝わる風習に良くあるパターンは、中国で生まれたものが、そのまま日本に入ってきたというものですが、二十八宿は違います。
中国で生まれた二十八宿は、一度インドへ渡ります。
インドにおいて、二十八宿は二十七宿となり、主に日の吉凶を知るために用いられるようになりました。
二十七宿となった二十八宿は、唐の時代に「宿曜経」としてインドから中国へと逆輸入され、後に中国から日本へと伝わったのです。
日本での二十八宿
「宿曜経」は、遣唐使として中国に渡った弘法大師空海によって伝えられたとされています。
※大同元(806)年10月に帰国
当初は二十七宿のまま使われていましたが、貞享の改暦以降は二十八宿が利用されるようになりました。
また、それとは別に7世紀末~8世紀初めに造られたとされる高松塚古墳やキトラ古墳の壁画には、二十八宿や四神が描かれていることが判明しています。
※二十八宿は、七宿ずつ四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)に配当されるものです。
このことから、二十八宿そのものは、もっと古い時代に伝わっていたものではないか?と推測されている事を併せてお伝えいたします。
二十八宿とその吉凶
二十八宿の吉凶を知りたい方には、お待たせとなりました。
ここからは、二十八ある宿名と、その吉凶をお届けいたします。
一つずつ書いていきますが、折角なので配当されている四神のグループで区切ることにしました。
中国の神話で、天の四方(東西南北)を司る霊獣(守護神)のことを言います。
青龍=東
白虎=西
朱雀=南
玄武=北
を、守護しています。
それでは、二十八宿第一宿から第二十八宿へと進めていきますが、その都合上「東西南北」ではなく「東北西南」の並びになることを予めお伝えいたします。
東方青龍七宿
- 角 二十八宿第一宿
- 吉:衣類裁断、着初め(きぞめ)、柱建て、酒造り、井戸掘り、結婚、開店や開業など
- 凶:葬式
- 吉:結納、婚礼、種まき、縫製など
- 凶:造作
- 吉:婚礼、酒造り、門立、移転、種まきなど
- 凶:造作、着始め
- 大吉:婚礼、旅行、神事、造作、衣類の裁断など
- 吉:神事、仏事、移転、旅行など
- 大凶:造作
- 要注意:盗難
- 吉:婚礼、開店、移転、薬合わせ、造作など
- 凶:衣類裁断
- 大吉:造作
- 吉:酒・醤油作り、財産の収蔵など
- 凶:葬式
- 大凶:婚礼
北方玄武七宿
- 斗 二十八宿第八宿
- 吉:土動かし、造作
- 「鬼宿」に次ぐ吉日で、万事において吉
- 午の刻(11時~13時)を除いて、大吉祥のお日柄
- 武器を造る、髪をすく以外は、いっさいが凶
- 大凶:葬式
- 吉:入学
- 大凶:造作、相談ごと
- 吉:壁塗り、かまど造り、出行など
- 凶:衣類裁断
- 吉:祭祀、祈願、婚礼、船乗り、造作など
- 大吉:婚礼、衣類裁断、造作など
西方白虎七宿
- 奎 二十八宿第十五宿
- 婚礼、棟上げ、旅立ち、井戸掘りなど、万事において大吉
- 大吉:婚礼、造作、移徒(わたまし)など
※移徒=移り動く事、転居 - この日に衣類裁断を行うと、寿命が延びる
- 吉:就職、結婚、造作
- 大凶:衣類裁断
- 吉:神仏祈願、手斧始め、造作など
※手斧始め=大工が行う仕事始めの儀、もしくは新築工事において大工が着手する時の儀礼
- 吉:神事、祭礼、造作、不動産取得
- 凶:婚礼、出費ごと
- 吉:入学のみ
- 造作にもちいると、家財を失う
- 吉:財を求める事、養子を迎える、造作、遠出など
南方朱雀七宿
- 井 二十八宿第二十二宿
- 吉:神事、種まきなど
- 衣類裁断に用いると、離婚となる
- 二十八宿の中で最大吉日であり、万事において大吉
※この日は「鬼宿日」として、暦の下段にも特記されています。
- 凶:造作
- 葬儀を行うと不幸が重なる
- 吉:療養始め、乗馬始めなど
- 凶:婚礼、葬儀
- 吉:出行、就職、婚礼など
- 種まき、養蚕に大きな利益がある
- 吉:出行、種まきなど
- 婚礼に用いると、離婚に至る
- 万事に吉
- 衣類裁断に用いると火難にあう
二十八宿カレンダー!おススメはここ!!
ざーっと二十八宿の吉凶をあげたところですが、吉凶が解ったとしても、いつが何宿なのかが解らなくてはどうしようもありません。
ご自身で暦を持っていれば、差支えも無い事ではありますが・・・
もしネット上で解決したいのであれば、二十八宿の解るカレンダーは絶対にあった方がいいですよね^ ^
そこで、おススメの二十八宿カレンダーをご案内いたします。
以下は、サイトのキャプチャ画像になりますが、上段には二十七宿(貞享の改暦以前)が下段には二十八宿が記載されています。
こちらのサイトは、今年だけではなく未来の二十八宿も知ることができますから、先のことが気になる方にとっても使い勝手があるかと思います。
⇒ 暦注カレンダー「二十七宿/二十八宿」
最後に・・・
二十八宿だけではなく、旧暦の日や六曜、六十干支などをまとめて知りたい!という時に便利なサイトをご紹介して、この記事を閉じたいと思います。
⇒「暦注カレンダー」
使い方は、とっても簡単!
まず西暦と和暦を選んで、何年、何月を入力したあと、当月(1ヶ月)だけか当月を含む数か月かを選んで、計算するをクリックすると結果が表示されます。
※期間は、1ヶ月、2か月、3ヶ月、6ヶ月を選択することができます。
実際に、どこまで計算できるのか?試してみたところ、過去は明治まで未来日は年内いっぱいでした。
来年の分は、年末近くか年明け早々には追加されるものと推測しています。
※気になる方は、問い合わせフォームでご連絡ください。多数いらっしゃった場合は、当方で問い合わせいたします。
《参考》
現代こよみ読み解き事典 / 岡田芳朗 阿久根末忠 編著
高松塚古墳の壁画の四神の龍 / 特集 四神相応 / 龍と龍特集 四神相応水
暦注説明その1 / こよみのページ
コメント