「本日一粒万倍日」
宝くじ売り場での窓口近くで、こんな言葉を見かけたことはありませんか?
目に留まるようになったのは、ここ数年の事のように思います。
きっと「本日大安吉日」であれば、お馴染みでしょう。
さて、この「一粒万倍日」を初めて見た時は、一粒が万倍になる日だからきっと縁起がいい日って事なんだろう程度に思っただけで、さほど気に留めることもありませんでした。
でも宝くじ売り場が、いつも行くスーパーの前にあるので目に付くことが多くなり、いったいなんぞや?と調べずにはいられなくなってしまいました。
ということで、一粒万倍日について自分なりに解った事をここにまとめます。
一粒万倍日とは?
一粒万倍日は、暦において選日とされるものです。
選日は、六曜や七曜、十二直に含まれないもので、六十干支の組み合わせによって、その日の吉凶を占うものとされています。
※同様の占い方で、雑注とされるものもあります。
一般的に、「一粒万倍日・八専・十方暮・不成就日・天一天上・三隣亡・三伏・大土・小土」の九つが、選日と呼ばれている日です。
それぞれ、普段は耳に触れることすら無い日でしょうから、なんだそれ?と思われるかもしれませんが、ここはそういう日があるんだ程度で納めて頂けると助かります(汗;
一粒万倍日の意味は?
まず、一粒万倍日を「一粒万倍」と「日」に分割して考えました。
というのも「日」は、どうあがいても「日」なので、「○○○という日」になると思ったからです。
一粒万倍を調べると、微妙に言葉遣いの違うものがありましたが、取りまとめると「一粒の種が実り万倍もの収穫を得ることが出来る」という意味を持っています。
このことから、わずかなものから大きな利益を得るたとえとして用いられています。
「日」を合わせると「わずかなものから大きな利益を得る日」であり、めでたい日とされています。
一粒万倍日の吉凶は?
一粒万倍日の吉事は、事始めです。
特に仕事始め、開店、投資、種まき、お金の貸し出しなどに良い日となっています。
また凶事は借金で、この日に借金をするとたちまち膨れ上がるという凶日です。
なお、一粒万倍日が他の暦注と重なった場合
- 吉日の場合は、効果が倍増する
- 凶日の場合は、効果が半減する
と言われています。
一粒万倍日はどうやって決めるの?
過去の暦では、二通りの異なる決め方があったようですが、現在の暦では節区切りで月と日の干支を組み合わせたもので以下のように配当されています。
節区切りは、立春を正月とした旧暦時代の考え方で、例えば正月は立春から啓蟄の前日までというふうに、二十四節気に基づいた区切り方です。
紛らわしいので、新暦におけるおおよその期間を「()」で付しておきます。
- 正月(2/4~3/5頃):丑・午の日
- 2月(3/6~4/4頃):酉・寅の日
- 3月(4/5~5/4頃):子・卯の日
- 4月(5/5~6/5頃):卯・辰の日
- 5月(6/6~7/6頃):巳・午の日
- 6月(7/7~8/7頃):酉・午の日
- 7月(8/8~9/7頃):子・未の日
- 8月(9/8~10/7頃):卯・申の日
- 9月(10/8~11/6頃):酉・午の日
- 10月(11/7~12/6頃):酉・戌の日
- 11月(12/7~1/4頃):亥・子の日
- 12月(1/5~2/3頃):卯・子の日
参考までに、月と二十四節気の配当は、
- 正月(立春・雨水)
- 2月(啓蟄・春分)
- 3月(清明・穀雨)
- 4月(立夏・小満)
- 5月(芒種・夏至)
- 6月(小暑・大暑)
- 7月(立秋・処暑)
- 8月(白露・秋分)
- 9月(寒露・霜降)
- 10月(立冬・小雪)
- 11月(大雪、冬至)
- 12月(小雪・大寒)
となります。
二十四節気については、こちらの記事で詳しく説明していますので、よろしければご覧ください。
今年の日付が入った、一覧表もあります。
一粒万倍日!今年はいつ?
日本人は昔から縁起担ぎが好きだったと言われていますが、このご時世、なんと言われようと、あやかれるものにはあやかりたいと思うのは私だけでしょうかwww
それでは、今年の一粒万倍日をすべて!!と行きたいところではありますが、一覧表よりもカレンダー形式の方が解りやすいだろうと思ったので探してきました。
個人的にいいと思ったカレンダーを、ご紹介いたします。
⇒「開運年間カレンダー」
アクセスしてみると解りますが、日付の欄にある一粒万倍日にチェックを入れるだけで、今年の一粒万倍日が一発で解ります。
他にも、極上の大吉日と言われる天赦日や、暦からは離れますが金運アップの日と言われる寅の日なども調べることができます。
また2つ、3つ同時に調べることも可能ですから、一粒万倍日と天赦日が重なっている日もバッチリです!
言葉だけでは解り難いと思いますので、カレンダーの一部画像を置いておきます。
※画像では、一粒万倍日(赤)と天赦日(緑)を一緒に表示させています。
最後に・・・
古い時代、一粒万倍日は全ての暦に記載されているというものではありませんでした。
※決まった地方だけで利用されていた「地方暦」には記載されていない事があったそうです。
また、貞享の改暦(貞享2(1685)年)以降、暦の暦注からは姿を消していました。
再び暦注に記載されるようになったのは、新暦が普及してからのことで、その理由は定かではありません。
《参考》
現代こよみ読み解き事典 / 岡田芳朗 阿久根末忠 編著
旧暦読本 日本の暮らしを愉しむ「こよみ」の知恵 / 岡田芳朗著
第164回 天赦日と一粒万倍日―最高の吉日 / こよみの学校
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