お盆の時期に作る精霊棚(盆棚)のお飾りは、それぞれ意味があって飾られています。
まずは、精霊棚の例をご覧ください。
精霊棚の飾り方は、地域や仏教の宗派によって様々です。
さすがに、すべてを網羅する事は難しいので、ここでは例にあげたイラストを元に、お飾りの持つ意味を紐解いていきます。
お飾りの中で「そうめん」「さやつきの豆」「ほおずき」「生花」については、【その1】の記事に書いていますので、良かったらご覧になってください。
今回は、【その2】として「きゅうりの馬・なすの牛」「水の子」「閼伽水・みそはぎの花」「夏の野菜・果物」についてお届けいたします。
お盆飾り きゅうりの馬・なすの牛の意味は?
きゅうりの馬となすの牛は、きゅうりやなすに割り箸やつまようじをさして作ります。
これらは、いずれも亡くなった方の霊のための乗り物です。
- きゅうりの馬:馬に乗って、早く帰ってきてください。
- なすの牛:牛に乗って、景色を見ながらゆっくりお帰りください。
という意味があります。
また、なすの牛は、おみやげの荷物を積んで帰るとも言われています。
このお飾りは「精霊馬」と呼ばれるものです。
近年では、馬や牛にこだわらなかったり、きゅうりやナス以外で故人の好きだったものを作ることもあるようです。
これもまた、お盆の期間は故人を迎えもてなすものというところを考えると、ありだろうと思います。
お盆飾り 水の子の意味は?
水の子は、なすやきゅうりなどをさいの目に切り、洗ったお米を混ぜて、はすの葉をしいた器にもりつけたものです。
地域によっては、深めの器に盛り付けて清水を満たすという場合もあります。
水の子には、お盆に帰ってくるすべての霊にいきわたるようにという思いが込められています。
お盆に帰って来る霊というと、おじいちゃんおばぁちゃんあたりまでは想像がつくかと思いますが、それよりずーっと以前のご先祖様も帰って来るという事を忘れないでください。
さらに、家が絶えてしまって供養してもらえない霊や、事情があって呼んでもらえない霊さえも供養して水の子を食べてもらう、というお布施の心をもったお飾りでもあります。
お盆飾り 閼伽水(あかみず)・みそはぎの花の意味は?
閼伽水
は、器にきれいな水を入れたものです。
仏教では、供養のために供える水を「閼伽」と呼び、穢れを払う水とされています。
閼伽水の側には、器に5~6本束ねたミソハギの花を添えます。
ミソハギを漢字で書くと、「禊萩」です。
「禊」には、悪霊を払うという意味があるため、お盆でお先祖様が帰っている間はお墓に悪霊が付かないようにと、墓地に供えられることもあります。
精霊棚でお参りをする際には、ミソハギで水の子に水を振り掛けてお清めをします。
お盆飾り 夏の野菜・果物の意味は?
これは、盂蘭盆経の教えにある「百味五果」にあたるものです。
百味五果の、百味はたくさんの種類のおいしい物、五果は瓜、なす、麺、饅、餅の五種類を指しています。
季節のくだものや野菜、故人の好きだったものを供えても大丈夫です。
精霊棚(盆棚)に飾るお飾りの意味を、2回に分けてお届けしましたがいかがでしたでしょうか?
お盆って、どうしてこんなものを飾るんだろう?
そんな疑問に、少しでもお役に立てたとしたらとても嬉しく思います。
室内にお盆飾りをするなら、こういったセットもあります。
≪参考≫
精霊馬 / 葬儀と葬儀後の問題解決サイト エンディングパーク
お盆の準備と精進料理のお供え作法 基本レシピと飾り付けの方法 / 典座ネット
お盆のスケジュール お盆の風習 / ㈱後藤本店葬祭
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