二十四節気には、大きく暑いと書いて大暑という節気があります。
この一文を読んだあなたは、きっと、めちゃくちゃ暑い夏を思い浮かべたのではないでしょうか。
大暑は、二十四節気において12番目の節気にあたります。
ここで、何か気付きませんか?
24ある節気の12番目ですから、大暑が過ぎると1年の半分が終わります。
春夏秋冬の半分!つまり、春夏が終わるということです。
大暑
は、夏の季節で最後の節気になります。
ここでは、なぜこの時期を大暑と呼んだのか?
その意味を、こよみ便覧を基に紐解いてみようと思います。
また、今年の大暑の日(期間)や、七十二候の表す季節も併せてお届けいたします。
大暑の意味とは?
さっそくですが、こよみ便覧で大暑の欄を見てみましょう。
⇒「こよみ便覧」
※コマ番号「7」をご覧ください。
「暑気いたり つまりたる時節なればな里」
とあります。
中に変体仮名が使われていますから、解りにくいかもしれませんが、このように書かれているのが見て取れると思います。
解り易くすると、「夏の暑さが極まる季節だから(大暑)である」という意味です。
つまり、1年の内で一番暑い季節をして、大暑と呼んだということになります。
朝からジージーと蝉が大合唱していたり、熱帯夜で寝苦しい夜が続く。
そんな、夏真っ盛りの時期を意味する節気が大暑です。
とはいえ、現実的な暑さのピークとは若干のずれがありますがwww
ちなみに・・・
大暑の読みは「たいしょ」です。
「だいしょ」と読んでも間違いではありませんが、テストでは「×」になるかもしれません(笑)
大暑の日(期間)2024年はいつ?
本格的な夏の到来を示す大暑の日は、毎年7月23日頃に訪れます。
その期間は、次の節気である立秋の前日までとなります。
2024年の大暑の日は7月22日、その期間は7月22日~8月6日です。
翌2025年も、大暑の日は7月22日、期間は7月22日~8月6日となっています。
変わりますが、この時期の風物詩に打ち水があります。
庭先や道路に水を撒いて土埃を抑えたり涼を得る、昔から日本に伝わる風習ですが、今では見かけることが少なくなったように感じます。
七十二候の表す大暑の季節
さて、ここからは七十二候を用いて、その表す季節を見て行こうと思います。
七十二候は、1つの節気を、初候・次候・末候の3つに分けており、それぞれに季節を表す解り易い文言が付されています。
それでは、初候から順に見ていきましょう。
大暑 初候 桐始花結
「桐始花結(きりはじめてはなをむすぶ)」
桐の花が、実を結び始める季節を表しています。
なんでそうなるの?と、思われるかもしれません。
「花を結ぶ」という言い方は、馴染みの無いがないものですから^ ^
ここでの「結ぶ」は「結実する」、つまり「実を結ぶ」という意味になります。
とはいえ、桐の実はおろか、桐の花も、なかなかお目にかかる事が出来ないものです。
さて、桐といえば、やっぱり箪笥ではないでしょうか。
昔は、女の子の嫁入り道具の1つになっていて、女の子が生まれると桐の木を植えて、嫁ぐ時にはその桐の木で箪笥を作るという風習もありました。
桐は、防湿性や防虫効果、耐火性に優れた木材です。
大切なものや着物を、桐箱や桐箪笥にしまっておく。
そんな、古くからの知恵には、驚かされるところです。
そして、桐は桐紋という家紋にも使われています。
桐紋は、花の数によって「五七の桐」と「五三の桐」があります。
そうそう!500円玉の裏側!!ここにも桐がデザインされています。
今すぐにとは言いませんが、手に取った時にでもご覧いただければと思います。
大暑 次候 土潤溽暑
「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」
土が湿り気を帯びて、蒸し暑い季節を表しています。
初候に続いて、見慣れない漢字が並んでいますが・・・
溽暑は「じょくしょ」と読んで、湿気が多く蒸し暑いことを言います。
そして、ここの潤は、水気をふくむという意味に取るといいでしょう。
カラッとした暑さとは逆で、どこかジメッとして重苦しい暑さを想像していただくと、ピッタリだと思います。
突然ですが、ハッサクはご存じですか?
夏みかんによく似た、オレンジ色の果物です。
で・・・このハッサクなのですが、旧暦8月1日頃から食べることができたから、そういう名前になったと言われています。
ハッサクは、漢字で書くと「八朔」で、これが「八月朔日」につながるからです。
次候の期間が8月1日頃までになるので、8月1日つながりで持ち出してみました^ ^
といったところで、旧暦8月1日は新暦で9月下旬になります。
実際の収穫期(12月)や旬の時期(3月)とは、かなりのズレがある事も事実です。
どうして八朔という名前がついたのか?この真相は、未だ闇の中にあります。
大暑 末候 大雨時行
「大雨時行(たいうときどきふる)」
時として、大雨が降る季節を表しています。
ここでの大雨は「夕立」のことで、決して「ゲリラ豪雨」ではありません。
モクモクと入道雲が立ち込めて、なんだか暗くなってきたと思うや否や!
ゴロピカドン♪
ザーーーーーッ!!
うわっ(汗;と思っても、暫く待つと、ピタッと上がる。
雨が過ぎ去った後は、何事もなかったような陽の光に蝉の声。
待ってれば上がるでしょっ!?
夕立には、こんな言葉も付きものでした。
話はまたまた変わりますが、この季節は、日本各地で夏祭りが開催される時期になります。
夏祭り!と言えば、やっぱり東北でしょうか?
青森「ねぶた祭り」、秋田「竿灯祭り」、仙台「七夕祭り」、岩手「盛岡さんさ踊り」、山形「花笠まつり」、福島「福島わらじまつり」など、まだまだあります。
過行く短い夏を惜しむかのように、東北の夏祭りは熱く盛り上がります。
最後に・・・
大暑が過ぎると、秋の節気に入ります。
まだまだ暑い日が続く頃ではありますが、暑中見舞いは、大暑の期間中に届くように出しましょう。
※暑中見舞いの期間=小暑の日以降、大暑の期間中
次の節気に入ってしまうと、残暑見舞いの期間となります。
うっかり!のないように、ご注意ください^ ^
≪参考≫
大暑(たいしょ) / 日本の行事・暦
桐始結花・きりはじめてはなをむすぶ / ぴお 町の工務店ネット
桐は防湿・防虫・耐火性に優れています / 町八家具
はっさく / 果物の知識 丸果石川中央青果
旧暦で楽しむ日本の四季 二十四節気と七十二候 / 別冊宝島編集部編
コメント