旧暦の正月として、今も受け継がれている小正月・・・。
豊作祈願の餅花や、正月飾りを焚き上げる左義長などの行事も、各地域それぞれの形で行われています。
さて、ここで、質問です!
小正月に食べるといいとされる行事食は何なのか、ご存知ですか?
ひらがなで五文字の食べ物なのですが・・・
答えは、あずきがゆです。
小正月には、古くから小豆粥を食べる風習がありましたが、なぜ?この時期に小豆粥を食べるようになったのか?その由来をお届けいたします。
さらに、行事食の小豆粥を作りたいけれど・・・(汗;というあなたのために、簡単レシピもご用意しました。
まずは、小正月に小豆粥を食べる由来からご覧ください^ ^
小正月に小豆粥を食べる由来
古来中国では、疫病神を祓うため、冬至に小豆粥を食べるという風習がありました。
中国の古書「荊楚歳時記」には、「冬至の日、日の影を量り、赤豆粥を作りて以て疫を禳う」と、記されています。
さらに、「正月十五日、豆糜を作り、油膏を其の上に加え、以て門戸を祀る。」とあり、正月15日にも、豆粥が作られていたことが解ります。
※豆糜:豆粥のこと。糜=粥
このような風習が日本に伝わると、平安時代には宮中行事となりました。
平安時代の「延喜式」には、正月15日に小豆粥を食べると、一年間の邪気を祓い、万病を除くという記載があります。
※延喜式:律令制における法令の1つで、 律・令・格・式の格式にあたるもの
その他に、紀貫之の「土佐日記」や清少納言の「枕草子」などにも、小豆粥についての記述が残っています。
延喜式によると、小正月の宮中では七種粥が食され、一般の官職には米に小豆を入れた粥が振舞われたそうです。
※七種粥-米、粟、小豆、胡麻、稗、黍、みのごめ(ムツオレグサ)を入れたお粥
小正月の小豆粥が庶民の間に浸透したのは、五節句が定められた江戸時代の頃と言われています。
お粥に小豆を入れたのはなぜ?
ところで、お粥に入れられたのは、どうして「小豆」だったのか、不思議ではありませんか?
その秘密は、小豆の持つ「赤色」にあります。
古来、中国や日本など東アジアの国での「赤」は、生命や炎を象徴する色であると共に、悪霊や不浄を祓う霊力を持つ色でもあると、考えられていました。
さらに、古代日本では、飲食物の中に霊力や呪力がこもっているという考えもあり、そういった食物を食べることで、その力を内に取り込むことが出来ると信じられていたのです。
だからこそ、小豆粥の風習が、定着したのではないでしょうか。
小正月という年の節目に、小豆粥を食べて厄を祓うことで、一年を、健康で無事に過ごすことができますように!きっと、そんな願いが込められていたのだと思います。
さて・・・長らくお待たせいたしました。
小豆粥を作りたいけれど、お粥は面倒で(汗;というあなたのために、小豆粥の簡単レシピをお届けいたします。
小豆粥の簡単レシピ!
小豆粥を本格的に作ろうとすると、
お米を土鍋でコトコト・・・
小豆を下茹でして、頃合いを見計らって加えて・・・
と、時間と手間がかかります。
その時間と手間は、サクッと省いてしまいましょう!
まず、小豆の下ごしらえは、市販のゆであずきを利用することで手間を省くことができます。
「赤飯用」のものであれば、ゆで汁も入っているので便利です。
そして、土鍋の変わりに炊飯器を使います。
最近の炊飯器は、とっても賢くて「おかゆコース」なるものが備わっています。
せっかく文明の利器があるのですから、使わない手はありません♪
炊飯器で作る小豆粥のレシピ(2人分)
【材料】
- お米 0.5合
- ゆであずき ゆで汁込みでお玉で2杯程度
- 塩 少々
【作り方】
- ゆであずきは、あずきとゆで汁に分けておきます。
- お米は研いで、軽く水を切っておきます。
- 炊飯釜に、研いだお米、ゆで汁を入れ、お粥の分量の線に合わせて水を入れます。
- 塩を少々入れたら、おかゆコースでスイッチオン!
- 炊き上がったらすぐに、分けておいたゆであずきを入れます。
- 5~10分蒸らしたら、かき混ぜて出来上がりです。
いかがですか?
この方法なら、火加減に悩むことも無く簡単に作ることが出来ます。
そして、もう1つ!
残りご飯を利用すると、もっと簡単に作ることができます!
ご飯で作る小豆粥のレシピ(2人分)
【材料】
- ご飯 180g(茶碗約1膳分)
- ゆであずき 40g
- ゆで汁 大さじ4
- 水 2カップ
- 塩 少々
【作り方】
- 鍋にご飯と水を入れて、中火にかけます。
- お米が膨らんで、粥状になったら、ゆであずきとゆで汁を加え混ぜ合わせて温めます。
- 火を止めたら、塩を一つまみ入れて混ぜると出来上がりです。
わざわざお粥を炊くと、今あるご飯が残っちゃう(汗;という時には、この方法が断然いいかと思います^ ^
もしゆずがあれば、トッピングにどうぞ♪
おススメです。
また、焼いたお餅を入れてもおいしいですし、付け合わせには漬物も相性がいいですよっ☆
おまけ
小正月だから小豆粥を!と思っても、何かと忙しくて作る時間すらもったいないというあなたへ・・・。
今のご時世、便利なもので、小豆粥もレトルトがあります。
温めるだけなら、楽ちんですね^ ^
≪参考≫
アズキとぼたもちの神秘力 / 食文化史研究家 永山久夫
「小正月」の「七種粥」と「小豆粥」の風習 =春の七草・春の七種= / みんなの知識 ちょっと便利帳
赤飯と小豆粥-小正月に寄せて / 川野明正の研究室
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