鬼はぁ~外!福はぁ~うちっ!!
節分といえば、豆まきが定番行事ですが・・・
柊鰯といって、柊と鰯の頭で作ったお飾り(?)を玄関に飾る風習がある事はご存知ですか?
節分に鰯って???
と、なかなか結びつかない方もいらっしゃるかと思います。
きっと、お住いの地域によっては見聞きすることのない風習ではないでしょうか。
そんなわけで、今回は柊鰯についてまとめました。
まず、柊鰯とはどのようなものなのか?というところから入っていきたいと思います。
柊鰯とは?
きっと、文字で説明するよりもご覧いただくのが一番!だと思いますので、写真でご確認ください。
このように、柊の枝に焼いた鰯の頭を刺したものが柊鰯です。
柊鰯の作り方
【材料】
- 鰯の頭 1つ
- 葉の付いた柊の枝 1本(20cm程度のもの)
【作り方】
- 鰯の頭をこんがりと焼きます
- 柊の枝に、鰯の頭を刺します
※丸ごと一匹焼いた鰯から、頭を切り離してもOKです。
出来上がった柊鰯は、玄関先に飾りましょう。
それにしても、どうして節分に柊と鰯を飾るのか不思議に思いませんか?
柊鰯の由来
上巳の節句の桃や、端午の節句の菖蒲のように臭いが強いもの。
そして、松の葉や柊のように尖ったものは、古くから魔除けや厄除けとして用いられていました。
また、「門守」といって、御守の類を門口に飾り、魔物や災難などをよけるおまじないとする風習もありました。
柊鰯は、この門守のひとつです。
古い時代には、鰯の生臭い臭いと柊の痛いトゲが、鬼の苦手なものとされていました。
鰯の頭を焼くのは、その臭いと煙で鬼が近寄る事が出来ないようにするためです。
それでも、鬼が中に入ろうとすると、柊のトゲが目を刺して入る事ができないのだそうです。
この他に、鰯の頭を焼いた煙で鬼をおびき出し、柊のトゲで鬼の目を刺して追い返すという説もありますが、これはちょっと攻撃的ですね(汗;
柊鰯が歴史上最初に登場するのは平安時代で、土佐日記にある935(承平5)年正月の記述が、最も古いとされています。
当時は、鰯ではなく鯔の頭を用いており、正月のしめ飾りに柊の枝と一緒に刺していました。
鯔は、成長とともに名前が変わる出世魚なので、めでたいとされ飾られていたそうです。
ただ、いつどうして、鯔が鰯に変わったのか?は、未だに解明されていません。
さて、節分の時に玄関先に飾るとされている柊鰯ですが、いつからいつまで飾ざるものなのでしょうか?
柊鰯はいつからいつまで飾るの?
古くから伝わる風習にありがちなことですが、柊鰯を飾る期間も類にもれず、地域差があります。
いくつかのパターンがありますので、主だったところをあげておきます。
- 小正月の翌日(1月16日)から節分の日まで
- 節分の日のみ
- 節分の日から2月いっぱい
- 節分の日から一年間
の4つです。
面白いところでは、鰯の頭が猫に食べられるまで飾る、というものがありました^ ^
いずれにせよ、必ずこうという決まりごとはありませんので、お住まいの地域に伝わる方法を重んじていただければいいかと思います。
取り下げた柊鰯の処分方法は?
ところで、お役目を終えて外した柊鰯をゴミ箱に直行というのは、さすがに気が引けませんか?
柊鰯には、処分方法もいくつかあります。
- 神社で焚き上げてもらう
- 玄関先に埋める
- 灰になるまで焼いて、玄関先に盛る
- 塩で清めてから半紙に包んで捨てる
の4通りです。
神社でお焚き上げをする場合は、お近くの神社のどんと祭へ持参してください。
- 柊鰯を取り下げるのが、当年の2月4日であればその年のどんと祭
- 翌年の2月3日に掛け返る場合は、翌年のどんと祭
になります。
ただ、どんと祭に行く事が出来ない場合や近年の住宅事情を考えると、塩で清めてから半紙に包んで捨てるという方法が、無難のように思います。
柊鰯は鬼除けですから、単なる生ゴミとしての扱いだけは避けたいところです。
最後に・・・
柊鰯は、他に焼嗅、やっかがし、やいくさし、やっさし、柊刺しと、地域によって呼び方も様々です。
また、柊鰯に豆柄やトベラもしくは、家内安全の御札を添える地域もあります。
※豆柄=種子を取り去った大豆の枝
トベラ=トベラ科トベラ属の常緑低木で、枝葉に悪臭があるため、魔除けに用いられました。
実のところ、柊鰯の風習は、日本でも限られた地域にしか現存してません。
こういった風習が、廃れることなく受け継がれて行きますように・・・。
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