お盆とは・・・
亡くなった方を迎えておもてなしをする期間です。
亡くなった方の霊が迷わないようにと、お盆の入りの日には迎え火を、最後の日には送り火を焚く。
そんなご家庭もあるのではないでしょうか。
日本には、地域に定着している送り火の行事があります。
長崎市で行われる「精霊流し」も、その1つです。
精霊(しょうろう)流しとは?
精霊流しは、お盆前に亡くなった方の霊を弔い極楽浄土へ送り出す、お盆の伝統行事です。
初盆を迎えた家族が、盆提灯や造花などで飾られた精霊船を造り、故人の霊を乗せて流し場まで運びます。
本来は、精霊船を海に流すことで、故人の霊を天国へ送り届けるというものでしたが、近年は、環境に対する配慮もあり、実際に海に流すことはしなくなりました。
江戸時代の頃は、竹と麦わらで作った船(わらぶね)を担いで練り歩いた後、長崎港で灯を灯して海に流していたのだそうです。
当時の様子は、「港を幻想的な光が漂っていた」と語り継がれています。
精霊流しは、主に長崎県内に多く伝わっていますが、佐賀県佐賀市や熊本県熊本市、御船町などでも行われています。
長崎の精霊流しは派手?!
ところで、精霊流しと聞くと、さだまさしさんの歌を思い浮かべたりはしませんか?
あのしっとりとした曲調から、厳かな光景を思い浮かべる方は、少なく無いと思います。
そんな歌のイメージを持って長崎市の精霊流しを訪れたとしたら、きっと、度肝を抜かれるほどビックリすることでしょう。
鐘の音や精霊船を引く掛け声はもちろんですが、何といっても爆竹の音がハンパではありません!
束ごと!というか、箱ごと火をつけて鳴らします。
交通整理に当たっている警察官も耳栓をしていますし、コンビニでは、観光客用の耳栓を販売しているほどです(汗;
それにしても、どうしてそこまで爆竹をならすようになったのでしょうか?
精霊流しで鳴らす爆竹の由来
今では、鳴らすことに意義がある!的になっている爆竹ですが、由来をたどると、意味のあるものだということが解りました。
精霊流しの由来は諸説ありますが、中国の「彩舟流し」の影響が大きいと言われています。
鎖国時代に設置された「唐人屋敷」では、中国の人達が独自の風習を守って暮らしていました。
その風習は、唐通事達の言葉や絵で外部の人に伝えられ、長崎に広がったと言われています。
江戸時代、長崎の唐人屋敷において、中国語の通訳や、中国人との貿易の交渉、また、唐人屋敷の住民や貿易船の乗組員の生活の世話など、様々な職務を行っていた人々の総称です。
「彩舟流し」はそういった風習の一つで、死者の霊を中国へ送る行事として執り行われていたものでした。
そして中国においての爆竹には、魔除けの意味があります。
精霊流しで鳴らされる爆竹も、当初は、精霊船が通る道を清めるために鳴らされたと言われています。
中国の春節しかり、長崎の精霊流しもしかり、爆竹はただ鳴らせばいいと言うものではない事だけは確かのようです。
それではここで、精霊流しの光景を動画でごらんください♪
爆竹の音・・・どうでしたか?
耳栓が必需品というのも、納得いただけたのではないでしょうか^ ^;
さてさて・・・
精霊流しにまつわる話は、このくらいにして!
ここから先は、長崎の精霊流し開催情報をお届けいたします。
長崎精霊流し!2020年の日程
◎開催日:8月15日(土)
◎開催時間:17:00頃~22:00頃
精霊流しは各家庭(個人)が主体となっていて、「○○家」として精霊船を造り流し場まで運びます。
そのため、流し場まで遠い場合は早い時間から精霊船を出しますから、昼過ぎから爆竹が鳴り出す場所もあります。
◎開催場所:長崎県長崎市市内中心部一帯
※メインストリートは思案橋~県庁坂~大波止
◎問合せ先:長崎市コールセンターあじさいコール Tel:095-822-8888
精霊流しに伴う交通規制情報!
※8/10日現在、市電の情報を今年のものに更新しました。
8/13日:交通規制図およびバスの運行路線変更図を最新のものに更新しました。
お祭と名の付く事には、交通規制はつきものですが、長崎の精霊流しの交通規制は、かなり大規模です!
当日、しまった!!ということにならないように、事前に把握しておきましょう^ ^
交通規制は、当日のおおむね17:00頃から開始され、全面解除になるのは23:00頃です。
車両通行止めの区間と時間は、こちらからご確認ください。
⇒ 「精霊流しに伴う交通規制」
※ページ最下部に「長崎市中心部見取図・県内交通規制一覧」のPDFがあります。
そして、大規模!というからには、車両通行止めだけではありません。
路線バスは、当日17時以降運行路線の変更が行われます。
一部運休になる区間や往復運行になる区間があるだけでなく、運行間隔が変わる路線もあります。
一般路線バスの路線変更については、
⇒「一般路線バス 路線変更図」
高速バスやリムジンバスなど他の路線変更や、バスダイヤを確認したい場合は、長崎県営バスHPをご覧ください。
⇒「お盆期間中における運行ダイヤについて」
また、市電(路面電車)においては、17:00以降
- 1号系統:赤迫⇔新地中華街で折返し運行、新地中華街~崇福寺区間は運休
- 4号系統:運休
となり、精霊流し終了後の運行もありません。
運休となる路線の最終便や、17:00以降の路線図は、こちらでご確認いただくことが可能です。
⇒「精霊流し時の一部区間の運休について」
毎年、多くの観光客が訪れる長崎の精霊流し。
訪れる側はもちろんの事、行う側も本来は「死者の霊を弔うお盆の行事」であるということを、忘れてはいけないように思います。
≪参考≫
精霊流し(ショウロウナガシ) / 長崎市公式観光サイト あっと!ながさき
唐人屋敷と中国文化14 / 長崎んことばかたらんば
鑑真東渡 / 楽 敏編著 田 建国 岩城治幸 田 建華 共訳
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