あなたがまだ幼い頃になるかもしれないし、今も続いているかもしれませんが、
今日はひな祭りだから、ちらし寿司!
お月見だから、お団子を供えないとね^ ^
1月7日は七草だから、夜は七草粥よぉ~♪
というように、毎年同じ日にお決まりの食べ物が出てくるという事はありませんか?
日本に古くから伝わっている行事には、その時に決まって食べる食べ物があります。
行事食と言えば、ピンと来る方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このブログでも、行事食を取りあげている記事はありますが、言うまでもなく、それぞれが独立した記事としてアップされています。
ずーっと、何も気にすることなく居たのですが、ある日突然!もしかしたら、古くから伝わる行事と主な行事食を1つの記事で見ることが出来たら便利じゃないかな?という思いが、ふっと湧き上がってきたので、ここにまとめてみました。
行事食とは?
はじめに、行事食はこういうものを指して呼んでいるというところを、サクッとお話しします。
あぁ~もうーっ!
行事食ってどういうものを呼ぶのかは、言われなくても解ってます。
というあなたは、どうぞ先にお進みください。
では、本題にもどります。
行事食とは、季節ごとの伝統行事もしくはお祝いの日に食べる、特別な料理や食べ物のことを言います。
その季節に旬を迎える食材を取り入れたものが多いというところは、特徴の1つとして挙げることができるかもしれません。
ご存知ですか?
旬を迎えている食べ物は、それそのものが一番美味しい時期ですし、他の時期に比べて栄養価も高くなっています。
しかも、市場に多く出回るため安価になりやすい、つまりはお財布にも優しいというわけです。
おっと!話が行事食からそれそうになってしまいました(汗;
前置きはこの程度にして、先に進みたいと思います。
季節の伝統行事と行事食
日本全国津々浦々、伝統行事というものは大きな違いが無いと思いますが、行事食となると地方によって微妙に違ったりもしています。
さすがに、すべては調べつくせないため、代表的なものを中心に紹介させていただきます。
先にお断りしておきますが、ここでの春夏秋冬は、
- 春:立春~立夏の前日まで
- 夏:立夏~立秋の前日まで
- 秋:立秋~立冬の前日まで
- 冬:立冬~立春の前日まで
と、暦を基に区分しています。
また、新暦において決まった月日のある行事だけになりますが、その日にちを記載しました。
※お彼岸のように、その年によって変化があるものは、省かせていただいていますのでご了承ください。
さらに、当ブログ内での関連記事もご案内していますので、ご興味があればご覧になってみてください。
それでは、春の行事と行事食から進めていきますね^ ^
春の行事と行事食
日を追うごとに暖かさが増してくる春は、草木が芽吹き、さまざまな生き物が活動を始める季節です。
うららかな春の日差しは、なんとなぁくホンワカした気持ちにさせてくれます。
多くの人が楽しみにしているだろうお花見も、春の風物詩です。
針供養 2月8日
◎行事食:六質汁・豆腐やこんにゃくなどの柔らかい物
針供養は、折れたり錆びたりした針を、豆腐やこんにゃくといった柔らかい物に刺して供養する風習で、各地の寺社において供養祭が行われます。
六質汁は、ゴボウ・大根・里芋・人参・こんにゃく・小豆の6種類の具を入れた味噌汁で、事八日の日(2月8日・旧暦12月8日)に食べられていたことから、おこと汁とも呼ばれています。
初午 二月最初の午の日
◎行事食:いなり寿司
初午は、2月の一番初めに訪れる午の日に行われる、稲荷神社のお祭りです。
行事食は、稲荷神社にお供えするおいなりさんと同じいなり寿司です。
上巳の節句 3月3日
◎行事食:ちらし寿司・はまぐりのお吸い物
日にちを見て、あれ?と思った方もいると思いますが、上巳の節句はひな祭りを指しています。
女の子の健やかな成長をお祝いする節句として、浸透している行事です。
ひなまつりは、平安時代に行われていた「ひいな遊び」と中国から伝わった「上巳の節句」が結びつき、日本独自の風習となったものです。
春彼岸
◎行事食:ぼた餅(おはぎ)・団子
春のお彼岸は、春分の日を中日とした前後3日間の1週間となります。
花まつり
◎行事食:甘茶
花まつりは、お釈迦様の誕生日を祝う仏教行事です。
花御堂に安置されたお釈迦様の誕生仏に、竹の柄杓で甘茶を灌ぐことで誕生日を祝います。
甘茶は、アマチャの若葉を発酵・乾燥させたものを煎じた飲み物で、古くから生薬として用いられてきました。
花まつりでは、参拝者へ甘茶のお振舞があります。
その甘茶を飲むと、無病息災で過ごすことができるとか、目につけると目がよくなるなどの言い伝えがあります。
夏の行事と行事食
若葉生い茂る清々しい時期が過ぎると、じめじめとした梅雨が訪れ・・・その後は、じりじりとした暑さが覆いかぶさってくる夏の季節。
各地で、夏祭りや花火大会が多く開催される時期でもあります。
端午の節句 5月5日
◎行事食:柏餅・ちまき
端午の節句はこどもの日!ということは、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
言うまでもなく、男の子の健康と出世を願うお祝いの日として根付いている行事です。
夏越の祓(なごしのはらえ) 6月30日ころ
◎行事食:水無月
夏越の祓は、一年の前半(半年)分の厄を払って、残る半年の健康と厄除けを祈願する行事です。
もしかしたら、この行事も聞いたことがないけど、行事食の水無月ってなに?と思っている方が、多くいらっしゃるのでは?と・・・。
水無月は、白いウイロウの上に小豆をのせ、三角形に切り分けられたお菓子です。
七夕 7月7日
◎行事食:そうめん
七夕と聞いて思い浮かぶのは、織姫と彦星の伝説ではないでしょうか。
織姫にちなんで、裁縫の上達を願う風習(乞巧奠)が中国から伝わり、日本の棚機女信仰と結びついたものが七夕の節句です。
その昔、七夕には「索餅」というお菓子を食べる風習がありました。
そうめんは、この索餅が時の流れと共に変化したものと言われています。
夏土用
◎行事食:うなぎ・うのつく食べ物
土用の丑の日と言えば、やっぱりうなぎ!ですよね?!
秋の行事と行事食
山々が色づき始めると、もうすぐそこまでやってきてるのが冬です。
木枯らしに舞う落ち葉もまた美しいものですが、春の桜吹雪とくらべると、なんとなく物悲しいものがあったりもします。
お盆
◎行事食:精進料理
お盆に霊供膳を供えるお宅であれば、行事食が精進料理ということを解っているかもしれません。
お盆の精進料理は、二汁五菜です。
秋彼岸
◎行事食:おはぎ(ぼた餅)・団子
秋のお彼岸は、秋分の日を中日とした前後3日間の1週間です。
行事食は、春彼岸と同じになります。
お月見
◎行事食:衣かづき・月見団子
十五夜の日に、お月様がよく見える窓辺にススキや団子をお供えして月を愛でるのが、俗にいうお月見です。
お月見の頃は秋の収穫期でもあり、その時期に収穫された初物もお供えとします。
別に「中秋の名月」や「芋名月」とも呼ばれます。
重陽の節句
◎行事食:菊(食用菊)
重陽の節句は、五節句のひとつで、邪気を払い長寿を願う節句です。
「菊の節句」とも呼ばれています。
亥の子 旧暦10月亥の日
◎行事食:亥の子餅
亥の子は、稲の収穫が終わって農作業が一段落した頃に行われる収穫祭で、「亥の子の祭」や「玄猪」とも呼ばれます。
稲の収穫が終わるまで田んぼを見守ってくれた案山子への感謝とともに、田の神を山へ返す農耕儀礼です。
現在では、主に関西地方に多く残る風習になります。
大豆、小豆、ささげ、ごま、栗、柿、糖と、七種類の粉を用いて作った餅です。
旧暦10月の亥の日亥の刻に食べて、無病息災や子孫繁栄を祈願します。
冬の行事と行事食
雪が降り積もり、生き物たちも身をひそめる冬。
寒さが厳しいというだけで、冬は嫌い!という方もいらっしゃることでしょう。
でも、この厳しい寒さがあるからこそ、日本には、おいしい日本酒や味噌、醤油が存在しています。
七五三 11月15日
◎行事食:千歳飴・赤飯
七五三は、女の子は三歳と七歳、男の子は三歳と五歳の年に、これまでの成長に感謝し、将来の健康と幸福を祈る行事です。
千歳飴は、長寿を願って細長く、縁起が良いとされる紅白の色が付けられており、その袋には、縁起物の「鶴亀」や「松竹梅」が描かれています。
大晦日 12月31日
◎行事食:年越しそば
大晦日には年越しそばを食べるという風習は、定番中の定番かもしれませんが、中には「年越しうどん」という地域もあるようです。
お正月 1月1日
◎行事食:おせち料理
古き時代の宮中では、正月や五節句に「節会」と言われる宴が催されていました。
その際に、神様に供えたり、振舞われる料理を「御節供」といいます。
おせち料理の「おせち」は、御節供が略されたものです。
人日の節句 1月7日
◎行事食:七草粥
人日の節句ってなに?と思った方もいらっしゃるかもしれません。
でも、行事食をみれば、七草ね!と解っていただけたのではと思います。
小正月 1月15日
◎行事食:小豆粥
小正月は、かつて旧暦を利用していた頃の風習が、現在まで受け継がれているものです。
歳神様を迎える「お正月(大正月)」に対し、豊作や繁盛を祈る家庭的なものが「小正月」となります。
節分 立春の前日
◎行事食:恵方巻き
節分の日は、立春の前日にあたります。
旧暦の時代には、立春から1年が始まるという考え方もありました。
節分とは、まさに!季「節」を「分」ける日だったのです。
節分には豆まきというのも、定着している行事のひとつですね^ ^
最後に・・・
日本では、季節の移り変わりを知るものとして、古くから「暦」が用いられてきたという事から、ここでは暦に基づいて行事と行事食をまとめました。
ただ、この記事を書いていて、まだ書いていない行事や行事食があるのでは?という思いもあったことは確かです。
今後、書いていないものが見つかった場合は、追々書き加えていきますね^ ^
また、関連記事の紹介がないものについても、詳しいところが書き上がりましたら追加のご案内をしていく予定です。
《参考》
行事食 / 日本の行事・暦
年中行事・節句/ 日本の行事・暦
亥の子餅(いのこもち)玄猪餅(げんちょもち) / 京菓匠甘春堂
日本の伝統行事・行事食 / 谷田貝公昭監修・坂本廣子著
歳時記おしながき / 平野恵理子著
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